■第二回 マレー半島(5)
「ペナン島」
10月7日、9時のバスにて、ジョージタウンに向かう。寝釈迦仏寺、植物園の見学コースである。
根釈迦仏は正式には涅槃仏といい、釈迦が沙羅双樹の下で入滅(2月15日)する姿を表現している。
日本では、サラソウジュというと、ナツツバキ(Stewaritia pseudocamellia)を別名シャラノキと呼び、これがサラソウジュと思われているのが一般的な見識であるが、これは間違いで、元祖本物はラワン材としても使われるフタバガキ科のShorea
robustaである。
これが別名サラソウジュである。サラソウジュは熱帯の樹木でインドからアッサム、ベンガル地方に分布する高木で、仏入滅の際、一根より二幹を生じたこの樹が四株あったことより双樹の名がつけられたのである。
本州以西に自生する日本のシャラノキは名が似ているということで代用されているので、本物とは全く縁もゆかりもないのである。また同様にボダイジュも本物はインドボダイジュ(Ficus
religiosa)でクワ科であるが、葉が似ているというだけでシナノキ科の植物がボダイジュと呼ばれ、代用されているのが現状である。
これには原因はいろいろ考えられるが、元祖は熱帯性のもので日本での越冬は無理で、そこで代用品として我慢したことだと思われる。
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インドボダイジュ
(Ficus religiosa)
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